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証券・NISA

NISAの金融機関変更のやり方|銀行から証券会社へ移すときの手順・期限・できないケース

NISAの金融機関変更のやり方|銀行から証券会社へ移すときの手順・期限・できないケース

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この記事の目次
  1. 変更の前に知っておきたい3つのルール
  2. 手順は、書類3つのリレー
  3. 提出期間と、「今年はもう変えられない」ケース
  4. 進める順番の一例
  5. これまで買った商品はどうなるか
  6. 最後に

最初のNISA口座を、給与の振込先の銀行で勧められるまま作った。しばらくして、ネット証券のほうが自分の使い方に合っていそうだと気づいた。――NISAの金融機関変更を調べる人の多くは、だいたいこんな順番で検索にたどり着くのではないでしょうか。

結論から言うと、変更はできます。ただしNISAは1人1口座が原則なので、ふつうの証券口座のように「新しいほうでもう1つ作る」わけにはいきません。決まった書類を、決まった期間に、決まった順番で出す必要があります。この記事では、金融庁のNISA特設ウェブサイトのQ&Aをもとに、その手順を整理しておきます。

読者

銀行で作ったNISA口座を、ネット証券に移すことはできますか?

Trader100

できます。ただしNISAは1人1口座が原則なので、決まった書類を、決まった期間に、決まった順番で出す必要があります。

変更の前に知っておきたい3つのルール

金融庁の説明によると、NISA口座は1人につき1口座しか開けません。金融機関の変更は年単位でできます。そして、つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で使うことはできません。

つまり「積立はA証券、個別株はB証券」という分け方はできず、ある年にNISAで使う金融機関は1つだけです。年間の投資枠は最大360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)、生涯の非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)という枠組みは、金融機関を変えても変わりません。金融庁のQ&Aでは、非課税保有限度額は国税庁が一括で管理するとされています。

手順は、書類3つのリレー

流れ自体はシンプルで、書類を受け渡していくリレーのようなものです。

まず、いまNISA口座がある金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」を出します。受理されると、その金融機関から「勘定廃止通知書」が届きます。最後に、移りたい先の金融機関へ「非課税口座開設届出書」と、受け取った勘定廃止通知書をあわせて提出します。これで新しい金融機関にNISA口座が開設されます。

順番 相手 書類
1 変更前の金融機関へ提出 金融商品取引業者等変更届出書
2 変更前の金融機関から受け取り 勘定廃止通知書
3 変更後の金融機関へ提出 非課税口座開設届出書+勘定廃止通知書

ネット証券や銀行の多くは、届出書をウェブ上の手続きや書類請求で受け付けています。移り先にまだ証券総合口座がない場合は、その口座開設も必要です。私なら、変更前の手続きを始める前に移り先の証券口座だけ先に作っておきます。審査待ちのあいだに手続きが止まるのを避けられるからです。

提出期間と、「今年はもう変えられない」ケース

変更届出書を出せる期間は、金融庁のQ&Aで「変更後の金融機関でNISA口座を使おうとする年の、前年10月1日からその年の9月30日まで」とされています。2027年分から新しい金融機関で使いたいなら、2026年10月1日から2027年9月30日までが提出期間です。

そして、いちばん引っかかりやすいのがここです。届出書を出す日より前に、変更前の金融機関のNISA口座でその年にすでに買付などの受入れをしていると、その年分の変更はできません。

毎月の積立設定が生きていると、年が明けた最初の約定日に自動で買付が入ります。その時点で、その年分の変更はできなくなります。変更を決めたら、まず変更前の金融機関の積立設定を確認してください。

たとえば、今年まだNISAで1円も買っていないなら、9月30日までに手続きを済ませれば今年分から新しい金融機関で使える可能性があります。今年すでに積立で買付が入っているなら、今年分はあきらめて、来年分からの変更として手続きを進めることになります。

進める順番の一例

制度のルールから逆算すると、来年分から移す場合はこんな順番が扱いやすいと思います。

まず移り先の証券総合口座を開設しておき、変更前の金融機関の積立設定は来年分の最初の約定日より前に止めます。10月1日を過ぎたら変更届出書を出し、勘定廃止通知書が届いたら、開設届出書とあわせて移り先へ提出します。新しいNISA口座が開設されたのを確認してから、積立を設定し直します。

具体的な日付で考えてみます。2026年の11月に「来年からはネット証券で積み立てたい」と決めたとします。2026年分はすでに積立で買付が入っているので、変更できるのは2027年分からです。2027年分の変更届出書は2026年10月1日から出せるので、期間にはもう入っています。あとは、2027年の最初の約定日より前に銀行側の積立設定を止めておくこと。これを忘れて1月に買付が入ってしまうと、2027年分の変更もできなくなり、移れるのは2028年分からになってしまいます。

勘定廃止通知書の交付や新しい口座の開設には、税務署での確認も含めて時間がかかることがあります。希望する月から買付を始めたいなら、いつまでに出せば間に合うかを、移り先の金融機関の案内で確認しておくと安心です。

これまで買った商品はどうなるか

金融機関を変えても、それまでのNISA口座で持っている商品を新しい金融機関へ移せるとは限りません。扱いは金融機関によって違うので、変更前と変更後の両方に確認してください。移せない場合にその商品がどう扱われるのかも、手続きの前にあわせて聞いておくと安心です。

それから、引っ越しや結婚で氏名・住所・個人番号が変わったときの手続きは別物です。この場合は、NISA口座がある金融機関に「非課税口座異動届出書」を出します(金融庁Q&A)。

最後に

NISAの金融機関変更は、書類の名前がいかめしいだけで、やること自体は多くありません。つまずく原因のほとんどは、期限と「その年の買付」のルールです。カレンダーに「10月1日:変更届出書」「積立停止」と2つ書いておくだけで、だいぶ違うはずです。

移る先を選ぶときに私が見るのは、使いたい投資信託や株式をその金融機関が扱っているか、積立の頻度や金額をどこまで細かく決められるか、引き落としの方法が自分の家計の流れに合うか、の3点です。つみたて投資枠の対象になっている商品のうち、どれを扱うかは金融機関ごとに違います。変更してから「目当ての商品がなかった」となると、また1年待つことになりかねません。

どの金融機関に移すかは、使いたい商品やサービス、ポイントの条件などで変わります。条件は変更されることもあるので、決める前に各社の公式サイトで最新の内容を確かめてください。

出典・参考にした資料

  1. 金融庁 NISA特設ウェブサイト「よくある質問」
  2. 金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」
  3. 国税庁「NISA口座の新規開設又は変更に関する手続等について」

制度や税制は改正されることがあります。手続きの前に、出典元で最新の情報を確認してください。